6月23日開催「テンブスなは6・23平和の歌コンサート〜琉花の種〜」の模様が琉球新報(6月30日付)に掲載される。
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戦後70年の節目を迎えた慰霊の日の23日。宜保和也は市民から受け取った平和のメッセージを曲に、佐渡山豊は山之口貘の詩を歌に乗せた。音楽を通じて平和の思いを次世代に―。ライブハウスやコンサート会場から次世代につなぐ歌が響いた。
「テンブスなは6・23平和の歌コンサート~琉花の種~」が那覇市ぶんかテンブス館であった。我如古より子は「二見情話」をしっとりと歌う。一転して「娘じんとーよー」は観客の手拍子とともに高らかに歌声を響かせた。
フィナーレは同館が募集した「平和」「未来」をテーマにしたメッセージを基に宜保が制作した「へその音(お)~まほうの糸電話~」。全ての出演者と与那原町の子どもたちが太鼓、コーラスで参加した。柔らかで軽快なリズムながら「戦争知らない僕らが 平和の歌をうたう番」と宜保が優しく平和へのメッセージを込めた歌。時折加わる子どもたちのかわいらしい歌声もアクセントとなり、訪れた人の鼓膜に自然と響き、心に染み渡っていった。そのほかの出演は玉城チコ、大城建大郎、新城弘明。
語りと音楽を通じて、平和を発信するライブ「琉球魂2015Vol.10&11 PW無情」は22、23の両日、那覇市のライブハウスアウトプットであった。山之口貘の詩「喪のある景色」が読み上げられ、その詩に合わせて音を紡ぎ、ギターをかき鳴らすと、その乾いた音色と、佐渡山の味のある声だけが地下のホールに響いた。そのほかの出演は竹原ピストル、Jack The Nicholson’s、ヨシムラタカシ、Shinbow。
戦争体験者が少なくなる現状はあるが、音楽を通じて平和を訴え、その大切さを次代に継ぐ―。ここで作られ、歌われた歌は今後も歌い継がれ、色あせることはない。(大城徹郎)